硝子
2024.12.30mitori
古ぼけた頭のかわりに、円環をたずさえて
ゆっくりと階段を降りてゆく
やがて床面に足がつくとき、
言い積もったことばの通り
ゆっくり栞が外れていく。
渡り廊下の
粗く組み直された硝子に沿い
ゆっくり 枝を貼り合わせる
挫折の模様になっていく
言い積もったことばの通り、
わたしの声が隙間を継ぐ。)
わたしと外は、力薄く隔てられた。
弱い目を繰り、
びいだまを通して見る、
土の裏側、
ゆっくり、月の死骸がまわっている。
(Photo by ren lavsad)